ヤマトヌマエビを飼う

ヤマトヌマエビを飼う

ヤマトヌマエビが増えてしまったお話です。たった7匹を飼い始めて3ヶ月後には何百匹になってしまった。私のゾエア飼育方法のお話です。

ヤマトヌマエビとの遭遇

メダカの水槽に藻が生えてしまい、取り除くのが大変なので何かいい方法はないかと考えていたところ、ホームセンターの魚コーナーにヤマトヌマエビというのがいて水槽の掃除屋として活躍すると書いてあったので悩んだ挙げ句試すことにした。そもそもビオトープが藻だらけでもっと大変なのだが。蓋がないとエビは出てしまうそうなのでとりあえず水槽だけでもと購入した。メダカはエアレーションなく過ごしているがこのヤマトヌマエビはエアレーションが必要なのを知らなかった為、買った5匹が毎日一匹ずつ死んでしまった。慌てて2匹残ったことろで買ったお店に行って事情を話したら買い方を教えてくれて親切な事に3匹くれた。買い足した子と計7匹が水槽内を楽しそうに泳ぐことになった。生物の観察が大好きな私はこれまでにも熱帯魚や金魚などを子供の頃から飼っていたりしていた。エビを飼うのはこれが初めてで、早速水槽の前にへばりついてこのかわいい生き物の観察を始めた。これがとっても面白い!小さいハサミのついた器用な手で食べ物を掴んでもぐもぐやっている。泳ぐ姿も魚よりずっと面白く、沢山の足を使い上手に蹴ってすごい速さで90センチ水槽を端から端まで一気に泳ぐ。水草に掴まったり、宙返りもお手の物だ。体はスケルトンで所謂ワタと言う部分はご飯の通過であることがよくわかる。こうして毎朝の歯磨きは水槽の前で観察しながらとなった。

いきなり抱卵する

まだ飼い始めて一週間くらいのある日、例のごとく観察をしていたら大きなエビのお腹の辺りに灰色の粒粒の塊らしきがあるのを見つけた。やや、これは病気かなと思ったけど、もしかすると卵かも知れない。甘海老の刺身と似ている。メダカと同じように勝手に増えるだろうと思っていた。数日後別の個体にも灰色の塊がお腹についてる。この7匹のうちオスメスがいると言うことだ。そして次の日には小さい個体にも卵が。。。脚の部分に卵はあって、その脚を動かす度に塊がふわふわと一緒に動くが、落ちはしない。それから2週間くらいしたらいつの間にかお腹がスッキリしていた。何処かに小さなエビがいるのではと探したがいない。

緑灰色の卵
目が出来た

母エビの隔離と汽水の準備

おかしいなと思い、ネットで調べたところ(結構マニアックに書いている方がいらして、参考にさせて頂きました)エビの形までに育てるにはなかなか難しいことが分かった。メダカや他のヤマトヌマエビ達と一緒にしていては卵から孵ってすぐさま食べられしまっていたのだ。その孵ったものとはゾエアと言う小さなプランクトンで、しかもこれを育てるには汽水と言う特別な環境じゃないと駄目なのだ。汽水とは海水と淡水の混ざっている状態で、7対3にするそうだ。この海水は魚コーナーで売っている海水の素(sea solt)から作る。その辺の海から取ってくるんでは汚いそうで、とりあえずこの海水の素を買いにカネダイに行った。店員さんに事情を話したら、「そんなことは出来ません。全く無理です、ゾエアを育てるなんて」と不愉快な顔をした。全く失礼な私はお客よ。そんな事言うならやってみる根性の私はsea soltと比重計とGEXの39センチ水槽セットを買って帰った。お腹に卵があるのは小さい一匹だけになった。とりあえず隔離することにした。隔離の箱はダイソーで見つけた300円の透明なシューズケース、エビにはエアレーションが必須なので水槽セットに付いていたモーターにチューブとエアストーンを繋ぎ用意した。灰色の卵が透明になり、中に眼が出来てくるとそろそろらしい。これを確認するには虫眼鏡やハズキルーペとかが必要。今まで入っていた水槽の水をケースに移し、エビが掴まれるよう石や水草を入れ、いざ卵持ちの母エビを入れた。

母エビ

用意するもの

  • ゾエア飼育用水槽
  • 母エビ隔離用水槽
  • スポイト
  • シリンジ(あれば)
  • エアストーン
  • 三又分岐
  • モーター
  • 海水の素
  • 緑水

汽水の簡単な作り方

海水7、淡水3の汽水作りだが、あまり難しく考えず、入れる水槽を10分割して7まで海水を入れ、残り3を普段の淡水を入れることにした。ダイソーで買ったシューズケースはとっても分かり易く、定規で1センチずつ10まで線を引いて7と残り3と考えるのだ。海水の作り方は料理用のボールに計量カップ4杯で1リットルに対し37グラムくらいのseasoltを入れて溶かす(seasoltの袋の裏に書いてあるので比重計は要らなかった!)。これをケースに移す、何と2センチ丁度に出来る。これを3回繰り返し、残りの1センチは500mlでseasoltを18.5グラムで作り、ケースの7センチまで出来る。あとは3センチ分をメダカで使用している淡水を入れる。至って簡単に出来る。この汽水準備は少なくとも一週間くらい前には済ませておく、当然エアレーションとバクテリアストーンを入れておく。淡水は緑水ならもっとベター。但し大きいミジンコとかがいるとゾエアが食べられてしまい、本末転倒なので気をつける。交換用の汽水は数日前に用意しておきカルキ抜きされた状態にして日向に置いておくといい。

脱卵と孵化

卵を放つ時があり、それが大潮の時やらだそう。母エビを隔離したがなかなか卵を放たずもう3日くらい石の上に陣取っている。広い水槽から隔離されたせいかストレスであまり餌に手をつけない。夏場で餌は翌日には腐っているので取り除く。糞もいっぱいだ。大潮を過ぎた頃、お腹に着いていた卵を脚でポロポロと落としている。あちこち卵だらけになる。そしてよく見ると、とても小さなマッチ棒のような、丸い頭と尻尾のゴミのような白い生き物がふわふわ浮いている。これがゾエアかー。

輪っかの中にいます

1ミリにも満たない!すぐに孵ったのがいたり卵のままのもいる。ハズキルーペを掛けて一匹ずつ猫用シリンジで吸込み汽水水槽に移す。大きなスポイトで吸い込んでは汽水濃度が極端に変わってしまうので小さなシリンジが便利である。淡水から汽水にいきなり移しても何事もなく平気で泳いでいる。この世話をするのかと思うと今までの人生でこんなに小さな生き物に餌を与えたことはない、それはとんでもなく大変な事だと分かった。孵ってから24時間以内に汽水に移さないと駄目だとも言われているが何日か過ぎて移した子もいる。産卵ケースを見るといつも新たな子がいて驚く。母エビは卵をだいたい落としたので元の水槽に戻す。30匹くらいだろうか。

ゾエアのお世話

この小さな生き物がいったい何を食べるのか。参考にさせてもらったなかから手っ取り早いのは緑水なので近くの溜池から汲んできた。シリンジで与えるのだがゾエアは光を当てると寄ってくるそうなのでやってみた。面白いくらいに集まってくる。そこでシリンジに取った緑水を落とすと早速ゾエア達がパクついていると言うか何やら跳ねて突っいている感じ。ルーペ越しに見てもいったい何を食べているのか分からない。自然環境なら夜中も餌を食べると想定し、夜中に懐中電灯で照らし緑水をあげる。3倍のルーペでよく見ると水中に沢山の細かい微生物が舞っている。恐らく植物プランクトンだろう、当然光に寄って来て、それをゾエアが食べるのだ。彼らはまだ浮遊する事しか出来ないので浮遊しているプランクトンを食べるだけなのだ。手も足もない。頭と尻尾だけ。浮遊中の期間に餌が取れないと死んでしまうらしい。真水で環境を作ったのでは微生物かいないので餓死すると言う事だ。餌を浮遊させると考えるのは分かるがケース内を棒で描き回すようなことは危険だ。あまりに小さいからエアレーションでもスッ飛ばされる。三又分岐で分けて弱くかける。最初は緑水だけだったが2週間後くらいから様子を見ながらメダカ稚魚用の餌を一度溶いて浮いた細かいのをシリンジに取り与える。魚のように水面に浮いているのを突っついて食べることはしない。植物プランクトンを増やす為、藻と水草を入れ、日中は半分陽のあたる場所に置いてみた。底面に茶色い泥が出来る。後から分かった事だがこの泥をよく食べるので汚らしいがそのままにしておく。

慎重な水槽掃除

ケース内の掃除は細心の注意が必要だ。なぜならあまりに小さい為、スポイトで底面の糞を吸取ろうとすると生きてるゾエアまで一緒に吸い取ってしまうからだ。一旦小さなケース(100円ショップの虫かごとか)に吸い取った水を入れ、更にゾエアがいないか確かめなくてはいけない。私はケースから綿棒の円柱プラケースに移し電気に翳し再チェックをする。もし吸い取っていたらシリンジで捕まえて戻す。また夜に光を当て一箇所にゾエアを集めて離れた箇所を掃除するとか工夫しているがやはり混入する。とにかく大変な作業。今までの経験上水生生物は水の悪化が致命傷になる。またバクテリアがいなくてはアンモニアや糞の分解がされないので全部水を替える訳にはいかない。フィルターにスポンジを巻いたりして試したが全く駄目で、フィルター内に入ってしまって死んでたりした。餓死させることなく数週間も生きのびたのに大失敗である。とにかく掃除が大変なので少しでも手抜きしようとしたら結局死なせてしまう結果になった。底面フィルターを考えたが、餌を食べるのに砂の中に落ちてしまったら食べられないし、上部フィルターはダイソーのプラケースには着けられないし。まずはエアレーションとバクテリアストーンと少量の砂のみ。もう少し大きくなるのを待つしかない。

次の抱卵と脱卵

最初のエビに続き、卵を落としていた大きな5センチくらいのエビが再度抱卵した。しかも2匹。観察を怠らず眼が出始めて足で蹴るような仕草をし始めたのでまず一匹を隔離した。今度はあまり時間がかからないで、2日後くらいから脱卵が始まった。驚いた事に直ぐに孵化して無数のゾエア達が浮いていた。これをシリンジで取るのは無理なので計量カップでガサッと取りプラケースに移してその後海水を足した。軽く500匹くらいいる。もう一匹もそろそろだと思い移したが脱卵まで随分時間がかかり、その後も卵を持った状態が続き5日くらい待っても3割くらい残っているが元気がない様子だったので死んでしまうかも知れないと思い、元の水槽に戻した。隔離がストレスになったようだ。

ゾエアの観察

無数のゾエア

ゾエアの観察で面白いのは夜に懐中電灯を当てて集まって来るのを見る事だ。白く輝くゾエア、遊んでいるかのように宙を舞い飛び跳ねる姿、それは見たこともない光景である。見ていて飽きない。うちではケースをガラスのテーブルに乗せいるので下から照らすと皆がぞろぞろと集まってくる。

ゾエアから稚エビへ

孵化してから10日もすると頭部と腹部と尾が認識出来る。そして全体が赤くなっていく。まだ手足は出てきてないが底面の泥を突っついて食べるようになる。
この後、手足が出来始める。眼は元々あるのだろうけどルーペで見ても分からないのだ。その後白黒の奇妙なぬいぐるみの眼のようなものがはっきりと分かるようになってくる。

底面に降りるゾエア

20日が過ぎた頃、壁面にへばりついているのを確認した。立派なエビの格好をしている。それでも5ミリ強だ。1ヶ月が過ぎたある朝、小石の上に透明な小さなエビがいるのを見た時にはとても感動した。エビになったのだ!

壁面にへばりつく稚エビ
稚エビになる

最初は透明な水も何故か白く濁っていく。毎日300mlくらい(ケースの1/5くらい)交換するのだが白い。それでも皆元気にしているので大丈夫のようだ。活性炭とか入れたいのだが。孵化後20日でエビの格好になったので6対4、5対5と淡水化していく。これは案外適当で換水と同じ量の新比率の水で行っている。ほぼ淡水になったのは2ヶ月後くらいである。淡水に近くなると透明になってきた。水のことと餌を考えると世代を合わせて管理するほうがいい。緑水だが秋になると茶色い水しか採取出来ず、三番目の放卵のゾエア達は食べ物を豊富に得られず生育が今ひとつだった気がする。また緑水のバケツの下に溜まった茶色い泥を皆喜んで食べる。メダカのフードより美味しいらしい。食いつきが違う。また親エビ達が好む朽ちた葉っぱも食べる。フードは腐って水カビやよごれが発生するが、朽葉は水を汚さないまま分解されるので長期間水質悪化させず餌替わりになる。これはビオトープにしばらく浸かってあった物を使用。

朽葉も食べる

エビなので大食漢である。餌の取り合いもする。50匹くらい入っているプラケースの子達は穏やかだが、300匹くらいいる水槽は餌の時間は大騒ぎである。皆、手に餌を持ってじっとして食べている。また他の子が来ないところに持って行って食べている子もいる。だいぶ大きくなってきたのと、掃除が大変なので、39センチ水槽をTetraのスポンジフィルターに切り替えてみた。実は90センチ水槽を用意して20匹ほど入れてみたところ、餌を見つけられなくてプラケースに戻した。入れた日から数日間は楽しそうに端から端まで泳いでいたのだが餌が取れない上に運動のしすぎでじっとするようになった。お腹を見ると餌が入ってないので心配になって戻した。まだしばらくは小さい水槽のほうが良さそうである。

お食事中

この12月半ばで約3ヶ月、第一陣は2センチ位になった。ヤマトヌマエビを飼い始めて4ヶ月、たった7匹から何百となってしまった。大きくなったらオスメスを別々にしなくちゃ。

エビらしい
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