4/23 ピアノの時間を更新

鳴けない猫

猫と暮らす

通勤途中のある場所に数匹の猫が住んでいる。いつも自転車で通るので帰りに晩ご飯をあげている。朝は若い男の人があげている。もう5年くらいになる。ここの猫の話は色々あるのだが、今回は鳴けない猫の話。2020年の10月のある夕方、いつも通りご飯をあげに行ったら、何と新しい猫が。全く恐れず寄ってくる。もう何年も新しい猫がいないので安心していたらこれだ。雌だったら大変だ。そしてよく見たら案の定、雌だ。困ったもんだ。ここに住み着いている猫を何匹世話しているか。生まれた子猫達は里親探し。うちにもかれこれ5匹引き取った。もう増えないようにと皆去勢避妊手術をしてきた。翌日もその猫はいてこのままではまた増えてしまう。仕方なしに病院に予約を入れ、避妊手術をすることにした。先生の方針で急ぎでも三種混合ワクチンは必須、だから同時となった。当日の診察で、若くはないですよと言われ驚いた。だって大きくないから若猫かと思ってた。ではこれまでずっと子供を産んできたのか。こんなに慣れていて、置いていったのか、無情にも。これから寒くなるのに。しかもこんなに痩せっぽっちで。手術が終わり、お迎えに行った。先生からこの猫はこの鳴き方なんですか?と聞かれ、はて数日前知り合ったばかりなのでよく分からないと答えた。鳴き方?声が音が出てない。口の中を見たら奥両側が口内炎で赤くただれている。ひどい口内炎だそうだ。口だけ大きく開けて、普通の猫と同じだが鳴き声がないのだ。確か病院に連れてく時は車の中で鳴いていた気がしたが。それと手術後に目覚めた時に急にゼイゼイとすごい呼吸をしたので慌てて酸素吸入をしたそうだ。うちに帰りさてご飯だ。何と一口食べたら、「ゲー」とすごい音、数歩歩きいきなり唾液とともに吐き出した。「グウエー、グウエー」更に両手で口元を掻きむしる。そしてまた食べ始める。少し食べてはグウエーの繰り返し。発作か何か起きるんではないかと驚いた。器の周りは食べこぼし。変わった猫だ。若くはないと聞き、それなら余生をうちで過ごさせるのはどうかと家人に頼んだ。もうこれ以上飼わないと決めてたのにこれだ。だって寒くなるし、かわいそうだし。お先長くないみたいだし。色々理由をつけた。もうこれでおしまいだよと家人に何度も言われてる。そこを何とか。許可が降りた訳でもなく、名前を何としようか、などごまかしながら、あら、ちゃんとおトイレ出来るじゃない。もう少しここにお泊りしようね。家人も雌猫には優しい。なかなか猫らしい顔してる。皆がいても平気な気にしない。こうして何となく一員になった。そしてそろそろ一年だが鳴き声を一度も聞いたことがない。長らく猫と暮らしているが声の出ない猫は初めてだ。何か訴えてても気づいてあげられない。猫は沢山の鳴き方で飼い主に何かを伝えたり、感情を表したりする。ご機嫌な時、怒っている時、困った時、ご飯をもっと欲しい時。名前を呼ばれたらちゃんと返事をしたりする。この子は更に鼻も悪く詰まっていて寝てる時は大いびき!気管支と喉が元々悪いんじゃないかとのこと。嬉しいぐるぐるは他の猫と同じように出来るのに。何故声が出ない。でも最近は口内炎のサプリでお食事はすごく良くなった。ご飯をまともに食べられるようになった。その話は別途。